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【今後の配当見通し】武田薬品工業がシャイアーを買収した影響について

 

武田薬品工業は2019年1月8日にアイルランドの製薬大手シャイアーの全株式を取得しました。その後株価はさえない動きが続いています。

 

武田薬品工業と言えば、高配当銘柄として有名です。今のところ配当額は維持されていますが、今後果たしてどうなっていくのかを考えると不安があります。

 

そこで私の保有銘柄でもある武田薬品工業について今後の展望を考えていきたいと思います。

 

 

【武田薬品工業の事業】

武田薬品工業は、医薬品の研究、開発、製造から販売を主要な事業としており、医薬品事業に特化した企業です。

 

以下の表にある、5つの主要ビジネスエリアにおけるポートフォリオが売上収益の75%を占めています。

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反対に、この主要ビジネスエリア以外の事業に関しては、「最大100億ドル規模の売却」が検討されているとの報道もありました。選択と集中による経営の効率化が図られていくということでしょう。

 

また、武田薬品工業の事業の特徴として、海外比率が高いという点も挙げられます。

 

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特に米国の比率が高く、ついで日本そして欧州各国・カナダと続いていきます。非常にグローバルに展開している企業と言えます。そのため、為替リスクはある程度頭に入れておく必要があるでしょう。

 

 

【業績の推移】

次に、配当額にも直結する業績を見ていきましょう。直近の業績は以下のようになっています。

単位:億円

売上高

営業利益

純利益

2017年3月期

17,320

1,559

1,149

2018年3月期

17,705

2,418

1,869

2019年3月期

20,972

2,050

1,091

2020年3月期(予)

33,000

▲1,660

▲3,677

2021年3月期(予)

37,000

1,500

600

 

シャイアーは2019年3月期の第四四半期から連結対象になっています。買収の効果もあり、売上高は伸びており、今後も伸長していく予想です。

 

一方で気になるのは利益の面です。買収を実施した2019年3月期から減益となっていて、今後も低調な予想となっています。世間では買収費用がかかっていることが原因であると言われていますが、果たしてその影響はどれほどなのでしょうか。

 

それを確かめるためにもシャイアーを買収したことによる業績への影響を考えなければなりません。まずは今年度の第一四半期決算の実績を確認していきましょう。

 

武田薬品工業は2種類の実績を発表しています。「財務ベース」と呼んでいる国際会計基準(IFRS)に準じたものと、「Core」と呼んでいるものがあります。

 

この「Core」とは財務ベース実績から下記の項目を調整したものになります。

・製品に係る無形資産償却費および減損損失

・企業買収に係る会計処理の影響

・事業構造再編費用

・その他重要性のある、非定常的な事象に基づく影響、本業に起因しない事象による影響

(例. 一時的費用および収益)

 

それではこの2つの実績を確認していきます。まずは「財務ベース」です。

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「財務ベース」で見ると、営業利益は大幅減益、そして当期利益では赤字転落となっています。次に「Core」の実績を見てみます。

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「Core」で見ると、営業利益・当期利益とともに2倍以上の増益になっています。では、一体この差は何によるものなのでしょうか。

 

答えはシャイアー社の買収にあります。直接シャイアー社の買収に起因するものとして、「無形資産(のれん)償却費」と「Shire社買収費用」があります。この2つで財務ベースでは1,458億円もの減益要因となっています。特に「無形資産(のれん)償却費」は1,091億円計上しており、その影響は大きいです。

 

また、年間では「無形資産(のれん)償却費」と「Shire社買収費用」が5,930億円計上される見込みです。年間の当期利益の見込みが3,660億円の赤字ですから、それ以上の費用計上があるということです。

 

つまり、第一四半期においても、通期の見込みにおいてもシャイアー社買収に起因する費用計上が無ければ増益を確保できているということになります。言い換えれば、本業では稼げているということです。

 

これが武田薬品工業が「Core」の業績で伝えていることでしょう。それを踏まえて、買収による費用計上が完了した後のことを考えると明るい未来が見えてきそうです。

 

 

【株主還元】

株主還元についてですが、武田薬品工業は「1株当たり年間配当金180円の確立された配当方針を維持」するとしています。

 

今後数年間、財務上の利益が上がってくるまで配当がどうなるのか不安になりますが、今のところ減配はしない方針となっています。

 

ただ、シャイアー買収の際に武田薬品工業は新たに株式を発行しました。そのため、発行済み株式数が約2倍に増加し、1株利益(EPS)は反対に約半分になりました。

 

そのため、現在の発行済み株式数から算出すると、配当額でもある1株あたり180円の利益を出すためには、当期純利益で約2,800億円が必要です。

 

さらに増配を望むのであれば、一定の余力、つまり増益によって配当性向が下がってくる必要があります。仮に配当性向30%以下になった場合に増配があるとすると、約9,300億円の当期純利益を超えてくる必要があります。

 

直近の配当利回りは4.97%(2019年10月7日時点)となっていますので、減配さえなければ株主還元の視点では魅力的と言えそうですが、一方で増配は簡単には望めそうにありませんので注意も必要です。

 

 

【投資指標】

次に投資指標である割安性について見てみましょう。武田薬品工業のPBRとPERは以下のようになっています。

 

・PBR:1.09倍(2019年10月7日終値)

・PER:赤字予想(2019年10月7日終値)

 

PBRは1倍を少し超えていますが、そこまで高くない数字です。また、他の国内大手製薬会社のPBRを見てみると、1.3〜5.6倍と武田薬品工業が最も低い数字となっていますので、相対的に割安という見方もできます。

 

PERは赤字予想のため算出できません。仮に黒字転換する2021年3月期の予想利益を元に計算すると94倍になります。買収による無形資産の償却が落ち着くまでは、PERあまり当てにならない指標でしょう。

 

判断しづらいところではありますが、割安性の指標で株式の購入判断をするのは危険だと考えます。

 

 

【株価の推移】

次に株価の推移を見てみましょう。過去5年間のチャート図です。

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過去5年間では何度か上下に動いていますが、直近では下落しており、現在がほぼ底値となっています。これはシャイアーを買収する際に膨らんだ有利子負債に嫌気が出たことが大きな要因です。

 

私は5年以上前にちょうど今と同じくらいの価格で武田薬品工業の株式を購入しました。以降、大きな含み損を抱えたことはなく、配当利回りが5%になるのが3,600円なので、ここらへんが底値になるのではないかと予想します。

 

 

【今後の見通し】

最後に今後の見通しを考えていきたいと思います。まずは判断材料から出していきます。

 

「ポジティブな材料」

・高い配当利回り

・企業規模の拡大

 

「ネガティブな材料」

・多額の有利子負債

・シャイアー買収の影響による利益圧迫

・増配見込みが薄い

 

ポジティブな面としては、やはり高い配当利回りがあります。会社は現在の配当額を維持するとしていますので、恐らく大丈夫でしょう。ただし、配当性向はかなり高くなっていますので、今後の増配もあまり期待できません。

 

そしてもう一つ、企業規模が拡大したことによるメリットもポジティブな要素です。武田薬品工業はシャイアー買収後の連結売上高ひおいて、世界8位となる巨大製薬企業となります。世界80カ所に拠点を持ち、グローバルな研究開発が可能になりますし、シャイアーの高収益製品を手に入れ、かつ拠点統合や営業経費の効率化などのシナジー効果も見込めます。個人的には、長い目で見た時に利益の底上げが期待できると考えています。

 

一方でシャイアーを買収したことによって、多額の有利子負債を抱えました。加えて、買収費用や買収に係る会計処理の影響で利益が圧迫されています。このことが現在の株価下落にも繋がっています。

 

直近の赤字や多額の有利子負債については、問題なく乗り越えていくと考えていますが、株価の回復には時間がかかりそうな気がします。少なくとも2020年3月期の決算発表までは我慢の時期でしょう。

 

結論としましては、現在保有している武田薬品工業株については継続保有しますが、近々の買い増しはしません。もしこれから購入される方は長い目で見ることが必要になると思います。

 

今後もこの銘柄の動きは追っていきたいと思いますので、また何かあれば記事にします!

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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